若くして天に召された 佐伯祐三とエゴン・シーレ
ちょうど時を同じくして 夭折の画家
佐伯祐三(1898-1928) と エゴン・シーレ(1890-1918)
の展覧会が開催されています。
≪描くことに命を捧げた伝説の洋画家 佐伯祐三≫
東京ステーションギャラリー
2023/1・21-4・2
佐伯祐三は私が高校生時代から興味を持っていた画家
芸大所蔵の自画像展を見に行った時、丁度どこかの展覧会に出展されていて見られなくて残念だった思いがあり、
今回は絶対に見たいと思っていました。
自画像、パリの風景、下落合の風景
100余点が佐伯祐三の描画の歩みに沿って分かり易く展示されており
30年の人生を、こんなに精力的に駆け抜けていったのか、と感動しました。
この「郵便配達夫」は 最晩年
結核で弱り切り、迫りくる死にあらがうように体に鞭打って描いた作品とのことですが
郵便配達夫を描くタッチは力強く、魂の叫びのようにも思えます。
一方
≪ウィーンが生んだ若き天才 エゴン・シーレ≫
東京都美術館
2023/1・26-4・9
ウィーン分離派を立ち上げたクリムトに10代後半に知り合い、その才能を認められたシーレ
今回の展覧会では、同世代に活躍した画家たちの作品も展示されていましたが
シーレの一瞬の躍動感を見事にとらえる描写力と画面構成力
それに加えて色彩感覚が群を抜いているように思いました。
クリムトの官能的な女性の表情にも見せられますが、シーレからはもっと根本的な
生の後ろに張り付いている死
を感じさせられます。
撮影可能なのが風景画がほとんどで、ちょっと残念でした。
従軍もし、これから世界的に活躍をという矢先
スペイン風邪であっけなく28年で天にめされてしまったシーレ
きっと本人もまだまだ生きたかったのではないだろうか
彼がもう少し長生きしたら、どんな作品を残したのだろうか。
まさに ”夭折の天才” ですね。
両展覧会とも 4月初めまで開催されています。
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