第44回夏期書道大学講座に参加しました!
2018/8/3~5の3日間
池袋のサンシャインシティで行われた
全日本書道連盟主催の 第44回夏期書道大学講座
に参加してきました。
毎年、8月第1週の金・土・日 と真夏の暑い最中に開催されるこの夏期講座
私は今回で4度目の参加となります。
初日に教室にいってみてびっくり、もう満員
今年はとても人気があって、定員を増やしての受け入れだとのことです。
そうなんです。
この講座は、会派を超えて今現役で活躍していらっしゃる先生の講義を直接うけられるとあって
私も毎年楽しみにしています。
講師陣は魅力的な先生ばかりです。
講義は3日間、午前・午後の6コマで
楷書・行書・草書・篆書隷書・漢字かな交じり書・かな
と書道のフルラインアップ
びっしりと勉強させてもらえます。
【1日目 第1講】 行書 講師: 片岡重和 先生 (独立書人団)
取り上げた課題は 空海の ”風信帖” の臨書
自分で臨書をするにあたっての、法帖の見方、学習の仕方を分かりやすく解説していただきました。
・構え、姿勢(角度、方向)
・突、引、捻
・間合い(分間布白)
・呼吸を合わせる
肉筆の書を通して臨書の大動脈、精神性をどうやて自分なりに勉強していくのかを探していくことが大切
と同時に、筆法をまねするためには筋肉系も鍛えていかなければならない
というご指摘にハッとさせられました。
【1日目 第2講】 草書 講師:柳澤朱篁 先生 (書壇院)
孫過庭の ”書譜” の臨書
書譜の主な法帖のなかで 薛氏本、安麓村本、真蹟本 の紹介と臨書
そしてなんといっても 真蹟本の ”節筆” の研究による 松本芳翆説 のお話は、とても興味深かったです。
節筆 ― 竹の節のような形状をした不自然な筆致
これが1行中に1直線上にあること
この直線が約8分の間隔を保って規則的にあること
→紙の折り目なのではないか→この墨跡本が雙鉤填墨ではない→薛氏本をはじめすべての刻本の原帖なのではないか
実際に真蹟本のコピ-をみせていただくと、確かに定期的にこの”節筆”があらわれており、
これは、あえて臨書で強調しなくてもよいという解釈になるほどと思いました。
【2日目 第1講】 楷書 講師:谷村雋堂 先生 (書海社)
書海社の創始者 松本芳翆の楷書の奥儀 ということで
「楷書結構40法」
という資料をいただきました。これは教室で教えるのに使えますね!
そして、”筆を研ぐ”
私の属する書道団体 ”玄海社” の創始者 吉田栖堂先生は 松本芳翆と兄弟弟子の関係にあったとかで
書海社の展覧会などには足をはこんでいますが、今回直接その筆法を教えていただく機会がもてて
とても勉強になりました。
【2日目 第2講】 漢字かな交じり書 講師:長野竹軒 先生 (創玄書道会)
まずは文字を決定して半紙に自分なりの表現で書いてみる
次に、河東碧梧桐 の作品を鑑賞してこの表現から学ぶことをかきだしてみる
南金星作「コトバノカケラ」から詩を選び制作する
これまでの、古典に立脚した勉強とちがって、自分なりに表現する ってなかなか難しいですが、
日ごろから、感じたことをコトバとして記録しておき
自分の感性を表現する訓練をしていく必要性を感じました。
これは、私のやっている刻字作品を作るうえでもとても役に立つことだと思います。
ちなみに 南金星 とは 長野先生の文筆家としてのペンネ-ムだそうです。
【3日目 第1講】 かな 講師:下谷洋子 先生 (書道芸術院)
この3日目は講習参加希望者が定員を超えて、参加できない方もいたほどの超人気でした。
講習は 「本阿弥切」を元に 臨書→倣書→創作 への過程をどのようにやっていくか
ということを、実例のお手本をもとに勉強していきました。
仮名作品をつくるなんて一朝一夕でできるものではなく、とても難しいと思っていましたが、
今回の講義で、
まずは自分の知っているかなで行書きにしてみる(各行の文字の組み方をまなぶ)
今学んでいる古筆を取り入れる(一部分でもよい)
全体を二つの集団にわけその呼応による調和をはかる
古筆の特徴のある文字を組みいれる
文字を置き換えて散らし書きのパタ-ンをいくつかつくってみる
より作品的に面に動きを与える
このようにして、自分よがりの作品ではなく、古筆をいかした作品が作れる
というやり方をうかがい、今度挑戦してみようと思います。
【3日目 第2講】 篆書・隷書 講師:平形精逸 先生 (謙慎書道会)
篆書・隷書 の形の特徴、用法等の説明のあと、実習と添削でした。
篆書は正面むき、隷書はちょっと斜めを向き始めている というのが印象的でした。
一口に ”書道” といってもこれだけのカテゴリ-があり、それぞれちがった用法があり、とても奥が深いというこを
この夏期書道講座を通して実感してます。
そして講師の先生方が素晴らしい!
全体をみつめながら、集中的に深く学んでいく この講座はその機会を与えてくれるとても有意義なものなので
また来年も参加したいと思います。
教室のみなさんには、私が学んできたことをできるだけ普段の指導の中でお伝えしていきますね!
最後まで読んでいただき有難うございます。
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